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「R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム」
参加者インタビュー
株式会社 安川電機 東川氏

「イノベーションを起こすためのリーダー像を理解することができました」

2022年から2023年にかけて開催された「第16期 R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム」には、多くの企業の技術者にご参加いただきました。全6回のフォーラムの中では、「イノベーションを起こすリーダーシップ」をテーマに、様々な講演者の方を迎え、活発な議論が交わされました。 参加者である安川電機の東川康児様に、この研修に参加した感想を伺いました。インタビュアーは日本能率協会の森宮が務めました。

東川氏

新技術開発に取り組むタイミングでこの研修に参加

――― 「R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム(以降:R&Dフォーラム)」への参加ありがとうございました。東川さんのご担当業務について教えていただけますか?

安川電機には「基礎技術開発統括部」という部署があるのですが、その中の「ドライブ技術開発部」で課長を務めていました。具体的には、電気自動車向けの電機品の開発が担当になります。その後、ちょうど研修の最終回の頃だったと思いますが、内示をいただき、現在は「技術企画」の職務を担当していました。

「技術企画」という職務には、「お客さまが必要としている”コト”は何か」「”コト”を実現するためにどのような製品・機能を開発するべきか」また、「これらを具現化するために,どのような技術を開発するべきか」等について、方向性を示すことが求められています。

今申したような業務内容は以前から各事業部・各部門で取り組んでいたのですが、全社横断的に実行していくために、新設されました。「R&Dフォーラム」に参加した後でしたので、研修で学んだことを活かせるいい機会だと感じました。

――― ちょうど良いタイミングで、研修に参加したことになりましたね。

そうですね。おそらく、各社さんともロードマップ策定に向けて、同様な取組みをされていると思います。弊社も以前から、技術管理部門が取りまとめてロードマップを策定していましたが、改めて、顧客価値を起点にして、そこからブレイクダウンされたロードマップを作ることになりました。

以前は、各技術部門の限られたメンバーの範囲だけで取り組んでいたのですが、事業横断的に取り組むということで、これまで関わりがなかったメンバーとやり取りすることになりましたので、良いタイミングで、この研修に参加できたと思っています。

リーダーシップに対する考えが変わった

――― この研修で印象に残っていることは?

この研修は、「イノベーションを起こすリーダーシップ」がテーマでしたが、受講したことで、理想とするリーダー像の認識が変わりました。

以前は、リーダーシップに対して、ぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。「才能あふれる人だけがイノベーションを起こすことができる」と考えていたのですが、この研修で様々な方の講演を聞くと、そうではないということがわかりました。

イノベーションを起こした方は、みなさん、もちろんリーダーシップを発揮しているのですが、最初はイノベーションを起こそうと思って行動していたわけではありませんでした。

やりたい事、やるべき事に必死に取り組んで、それを後から振り返ったら、イノベーションにつながっていた。周りのみんなを巻き込みながら、小さなことを継続してやっていたら、大きなイノベーションになっていった。そんなふうに、まるで小さな雪だるまが、だんだんと大きな雪だるまになるのと似た印象を受けましたという感じでした。

ですので、小さなことでもいいのでまずは始めること(行動すること)と、それを継続することの重要性を改めて認識させられました。大きなことでなくても良いので、小さな変革をみんなで始める。その一歩を踏み出すことがイノベーションのポイントであるということを学びました。

そのような活動を継続していくと、イノベーションがだんだんと大きくなるのと同じように、リーダーも成長していき、より強いリーダーシップを発揮できるようになるのだと思います。
それがこの研修で得た気づきです。

誰にでもイノベーションを起こすことができ、誰もがイノベーションリーダーになることが出来る。そう考えるようになりました。
特定の人だけがリーダーになれるのではなくて、誰でもなれる。
勇気を出して,一歩を踏み出し,みんなを巻き込んでいく。そういった行動力がリーダーには大切だということを学ぶことができたのは大きかったです。

研修初日にマインドセットを変えることができた

――― この研修には、普段は接しない業界の方もたくさん参加されていたと思います。その点はいかがでしたか?

非常に楽しかったです。私と同じような年齢層・役職でマネジメントをされている方も多く、会話を重ねていくうちに業界は違えど、抱えている課題感や悩みが同じで,自分が置かれている状況に近いなという印象を持ちました。

共通していた悩みの一つに、人材育成や新規事業を進めるにあたっての障害がありました。既存事業をおこなっている中で、さらに新たな事業にチャレンジしなければいけませんので、反発も起こります。

若手層はチャレンジする意欲を持っている人が多いですが、中間層は保身とまでは言わないですが、守りの姿勢に入ることが多くなります。私自身もそういう傾向があるとわかり、反省しました。

この研修の冒頭、コースリーダーの林先生から、「会社から費用と時間をもらい研修に来ている意義を理解し、責任感を持つように」といった主旨の言葉を頂き、身が引き締まったことを覚えています。
また,ゲスト講演の方々から聞かせて頂いたお話は,会社に帰って自分なりの言葉でチームメンバにも共有しました。

研修中は,心に残った言葉をノートに書き留めていました。
特に印象に残っているのは、「チャレンジから学べば,失敗ではなくなる」「巻き込む人間は、巻き込んだ人達を幸せにする責任がある」という言葉です。
沢山書き留めた言葉の中で、個人的に一番刺さった言葉で、今でも思い返すようにしています。

「研修で学んだことが仕事の支えになっています」

――― 研修を終わって、時間が経っていますが、ご自身で変化したことはありますか?

冒頭にお話ししたように、現在、技術企画として新たなことに取り組んでいます。これまで交流がなかった既存事業の技術者とも話をすることが増えました。様々な人を巻き込みながら、新たなことにチャレンジするので、非常に不安です。

「うまくいかなかったら、どうしよう」と思いながら、活動を進めていますが、この研修で学んだイノベーションへの向き合い方やリーダーシップに対する考え方は、非常に役に立っています。

研修で学んだ学問的なことやテクニックもさることながら、このような大きな視点からの考え方は非常に役立っています。仕事を進める上での気持ちの持ち方、心の持ちようで支えになっている部分が多々あります。そういった意味では、本当に良い研修を受けることができました。

――― ありがとうございます。事務局としてとても嬉しいです。最後に、今後の目標、リーダーとして目指す姿を教えていただけますか?

最初に話したようにイノベーションを起こすために、特別なリーダーになる必要はないと思っています。トップダウンで指示をして、「俺がリーダーだ」と前に出るつもりもありません。

メンバーみんなに、そうではない新たなリーダー像を提示できるといいなと思っています。それぞれの個性を生かしながら、チームを引っ張る。個々人の能力を最大限生かすために、下支えするようなリーダーが理想です。その結果、数年後に「東川さん、だいぶ変わったよね」と思われるようになっていると嬉しいですね。

株式会社 安川電機
技術開発本部 
基礎技術開発統括部
ドライブ技術開発部
担当課長
東川 康児 氏

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