イスラエル ディスカバリー ツアー 参加者インタビュー
日本精工 木口 真次 氏
日本能率協会は 2019年1月に「イスラエル ディスカバリー ツアー」を開催しました。
参加者のみなさまには、起業大国と呼ばれるイスラエルの文化、仕組み、エコシステムを現地で確認し、イノベーションを生み続けるイスラエルのフロンティアスピリットを体感していただきました。
参加者である木口さんにこのツアーのご感想を伺いました。インタビュアーは日本能率協会、小関 俊洋です。( 以下敬称略 )
新技術を常に探しています
(小関)木口さんの現在の業務について教えていただけますか?
(木口)日本精工株式会社(NSK)の新領域開発センターという部署に所属しています。その名のとおり、新たな領域での新製品開発を進めている部署です。
(小関)これまでの経歴を教えていただけますか?
(木口)NSK入社前も似たような仕事に関わっていました。個別商品企画に先行しておこなう開発業務に長く携わってきました。いわゆる先行開発ですね。技術畑をずっと歩んできたわけですが、アメリカに駐在したこともあります。その時は開発というよりも営業サポートの仕事をしていました。お客様のところに伺って、商品を紹介する。マーケティングも他人に任せず、自力でやっていましたね。
新しい技術を見つける、新しいお客様を見つけることに長く携わってきました。このような経歴ですので、アメリカのイノベーション事情の方はある程度、理解しています。
(小関)まさに新技術の探索をされてきたのですね。今回、どのような目的でイスラエルディスカバリーツアーにご参加いただいたのでしょうか?
(木口)参加したきっかけは上司からのアドバイスです。上司のセンター長が日本CTOフォーラムに参加していて、その中でこのツアーのことを知り、「参加した方が良いのではないか」と言われました。私も二つ返事で参加することにしました。
イスラエルには尖った技術がある
(小関)ツアー参加前から、イスラエルに注目されていたのでしょうか?
(木口)日本国内や海外の展示会を観てまわることがよくあるのですが、面白い技術を見つけた時、そのいくつかはイスラエルの会社でした。主に通信関係の技術でしたが、尖った技術を持っている会社が多く、その時、イスラエルに興味を持ちました。変わった技術を持っている国というイメージがあります。
なぜ新発想の技術を生み出すことができるのか。いわゆるエコシステムの部分に興味を持ちましたので、イスラエルディスカバリーツアーに参加して、しっかりと理解したいと思いました。
(小関)実際に参加してみて、いかがでしたでしょうか?
(木口)目的であったエコシステムについては、訪問したどの会社さんでも丁寧に説明をしていただいたので、非常にわかりやすかったですね。充分理解することができました。
実際に現地に行ってみると、イスラエルに対する見方が180度変わりました。治安やインフラ、国民性は私が想像していたものとは全く違う。イスラエルと聞くと危ないイメージを持つ方も多いと思いますが、全然大丈夫でしたね。
実際に視察すると、イスラエルは全く新しい技術を生み出すのに長けているといることがさらによくわかりました。特にサイバーセキュリティ関係ですね。かなり技術が進んでいると思います。
現地で驚いたところは、盛んに現地のみなさんもおっしゃっていましたが、自分の国の中に需要がないということです。人口が少ないからでしょう。自国のインフラに対する投資はあまり進んでいないことがよくわかりました。
(小関)ツアーに参加して変化したことはありますか?
(木口)イスラエルはエコシステムが特徴的ですが、スタートアップへのアプローチはアメリカもイスラエルも基本的に同じだということがわかりました。スタートアップを考える時に、どういうアプローチがいいのか、いろんなオプションを考えられることができるようになったと思います。
自動車とサイバーセキュリティに関係する人はツアーに参加するべき
(小関)これからツアーに参加される方へのメッセージをお願いします。
(木口)イノベーションに興味を持っている方にはとても良いツアーだと思います。最新技術やスタートアップに関心を持っている方が、現地でイスラエルの概要を知ることができます。
イスラエルはエコシステムなどの点で、非常に特徴的です。シリコンバレーと全く同じかというと、少し違います。イスラエル独特の技術が発展しているので、その部分はわかりやすいと思います。是非、現地に行って体験をしてもらいたいです。
私もそうでしたが、みなさん、イスラエルに対して、先入観をお持ちだと思います。しかし、現地に行くと、それが完全に払拭されて新たな魅力を感じることができます。
実際に体感したのは特に自動車に関する技術とサイバーセキュリティです。この分野に関わっている人は是非このツアーに参加した方がいいと思います。今抱えている具体的な課題に対するヒントを得ることができるのではないかと思います。