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「R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム」
参加者インタビュー
ローム株式会社 前川氏

「イノベーションを起こすための環境づくりの大切さを学びました」

2021年から2022年にかけて開催された「第16期 R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム」には、多くの企業の技術者にご参加いただきました。全6回のフォーラムの中では、「イノベーションを起こすリーダーシップ」をテーマに、様々な講演者の方を迎え、活発な議論が交わされました。
参加者であるローム株式会社の前川拓滋 様に、参加した感想を伺いました。インタビュアーは日本能率協会の森宮が務めました。

前川氏

経営計画を上積みする事業創出がミッション

――― 前川さんのお立場と業務内容を教えてください。

ローム入社後、MBA取得・MIT駐在して、会社に戻った現在では、新技術・新商品を開発して既存事業にゲームチェンジを起こすミッションに挑戦しています。

――― 既存事業にゲームチェンジを起こすというと、無茶な課題のように思いますが?

公表している中期経営計画から見て、顕わに上積みと見える程度の事業を創出しないといけないのは事実ですので、あながち無茶なことを言っているわけではありません。それくらいのマインドセットで研究開発しないといけないということだと、私自身は考えています。

――― 具体的には、どのようなことをされているのでしょうか?

パワーデバイス事業の競争力向上の為に基板コストを大幅に低減する活動に取り組んでいます。この分野は非常に有望な市場で、とてつもない成長の可能性がありますので、既存事業にゲームチェンジを起こす目標にも合致しています。

――― フォーラムを受講した目的を教えていただけますか?

もう一度、学び直したいと思ったからです。2014年にMBAを取得したのですが、取得してから、頭でっかちになってしまっていたと思っていました。「なんでもできる」と思い込んでしまったんです。プロジェクトを前に進めるためには、チーム一体になって合意形成をしていく必要がありますが、どのようにリーダーシップを発揮して、組織を動かしていけばよいかがわからなくなっていました。

関連する書籍はたくさん読んでいたのですが、いまいち理解できず、困っていました。上司からこの研修を紹介するメールをもらい、「良い機会かもしれない」と思いました。

リーダーシップが重要であることはMBAの時に理解していたのですが、このフォーラムでは、実際に研究開発の場で、どのようにしていくべきなのかを実践的に学べると思いました。講師の方も現場で成功してきた方々なので参考になると思い、自分から手を上げて、参加を決めました。

インタビューローム

自らに落とし込むことができた

――― 研修を通した気づきや学びはありましたか?

(コースリーダーの)林先生にうまくコーディネイトしていただいたおかげで、理解が非常に進みました。
本を読んだだけでは、なかなか腹に落ちないですね。かといって、人の話を聞いてだけではわかったような気になるだけで、理解できたかは怪しいです。

結局、自分の実体験の中で腹に落ちるものがないと、本当に自分のものにならないと思います。林先生には、自分の中に落としこむことができるようにうまく導いていただいたと思います。

この研修で学んだことはたくさんあります。顧客価値を理解することの大切さ、テーマを自分の視点で切り口を考えて、加速度的に変わっていく世界の観想力を持つこと、目の前の結果は必ず出した上で、新しい視点でもとりあえずやってみること、人を巻き込み、他人の力を借りていくようにすること、一人一人を見て、マネジメントのやり方を変えることなどです。非常に多くのことを学ぶことができました。

他社を知ることで視野を広げる

――― フォーラムで印象に残っていることは?

(第5回ゲスト講師の日産財団理事長の)久村さんのお話は、インパクトがありました。非常にエネルギッシュな方で、だからこそ本質を見抜いておられるのだと思います。久村さんのお話を聞いて、本当に自分はリーダーシップの重要性を理解していたのかと疑問を持ちました。自分の中のスイッチを押していただいたような気がします。大きな気づきを得ることができました。
また、(第2回ゲスト講師のスノーピーク執行役員の)村瀬さんのお話を参考に、自部署で総当たり戦のワンオンワンを実施してみました。メンバー間のコミュニケーションが進み、創発的な取り組みが増えるようになったと感じています。

――― この研修では、CTOをインタビューするという特徴的な課題がありました。CTOインタビューはいかがでしたか?

他社のCTOの方を知ることで、世界が広がりました。
弊社は技術の会社ですので、経営層は営業職であっても、技術がわかる人しかいません。他の企業では、技術出身ではないCTOの方もおられたので世界が広がりました。私にとっては、意外でしたが、固定観念に囚われてはダメだということがわかりました。

部下に背中を見せる大切さ

――― 研修後、変わったことはありますか?

今回、学んだイノベーションのリーダー像を自分に落とし込むよう努力しています。
以前の私は、隠れて実験をする癖がありました。周囲にわからないように、影でこっそりと仕事をして、上手く行かなかった時は共有しなかったのです。

研究開発なので、みんなが新たなテーマに取り組まなければいけません。それぞれの研究開発進捗を発表する場はあるのですが、なかなか新たな価値の創造やテーマアップを自発的に発表してくれる人が現れませんでした。
ですので、私が周囲に姿勢を見せるような発表をするようにしています。内容は低次元で「こんなこと考えてやってみました。でも、ダメでした」という発表なんですが、自らの失敗を発表することで、「こんなことでもいいんだ」と思ってくれる人がいると思ったからです。発表を聞いて、新たな挑戦に興味を持つ人が出てきてくれたらいいなと思ったのですが、実際、興味を持ってくれる人も出てきました。

研究開発は、そういう新しいテーマやイノベーションを起こす取り組みの環境を作っていくことが大事だと思っています。開発のための戦略も重要ですけど、それはその活動の結果であって、まず自分で動いてみて、仲間を作っていくことが大事だと思っています。そのプロセスができる組織にしていくことが重要だと感じています。

また、今回は私がこの研修に参加させていただきましたが、部下にも同じように外部で研修を受けるように勧めています。

――― 今後の目標を教えてください。

失敗することもあると思います。しかし、挑戦しない、逃げるということが一番よくないと思います。自分の理想に向けて行動すれば、道が開けると思います。特に研究開発は荒野に道を開いていくような作業だと思いますので、後悔しないように道をしっかり拓いていきたいと思います。

――― 今日はお時間いただき、ありがとうございました。

(以上)

ローム株式会社
研究開発センター 融合技術研究開発部 複合基板G
グループリーダー
前川 拓滋 様

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