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【#28:デジタルビジネスの成熟度とGAFAのポジション】~技術者こそ経営者を目指せ!~ イノベーションリーダーが知っておきたい30のチャート

日本能率協会の上席アドバイザーエグゼクティブフェローの五十嵐氏による本連載コラム。
今回は、いくつかの代表的な産業を「デジタル技術・ビジネスの成熟度」で整理したときに見えてくる世界の動きと、日本企業に期待されることについてお話しします。

デジタルビジネスの進捗度と成熟度の関係を考えてみましょう。
縦軸にデジタルビジネスの成熟度、横軸にデジタル技術の進捗度をとり、その関係の上に、現在の各産業の立ち位置をマークしてみました。

Chart28:デジタルビジネスの成熟度とGAFAのポジション

最もデジタル化が進み成熟した産業は「Media」、次に「Trade」、さらに「Mobility」、「Health」と続きます。

そして「Manufacturing」、「Energy」は、デジタル技術の導入が遅れ、デジタル事業として成熟しているとは言えません。

すなわち、「Manufacturing」のデジタル化はこれからであり、デジタル化に伴い、今後大きく産業構造が変化するであることが容易に推察できます。
そして、そこには構造変革に伴い大きなチャンスが存在すると考える事ができます。

デジタル化習熟度の高いGAFAの拡大

また、この図の中に、いわゆるデジタルプラットフォーマーを重ね合わせてみると、図の上部のデジタル化の成熟度が高いところには、米国の巨大なIT企業群であるGAFA(あるいはMicrosoftも入れたFAGMA(GAFAM))が位置づけられます。

これら巨大IT企業は莫大な研究開発投資を行い、「Mobility」や「Health」等、新たな産業領域への事業拡大にチャレンジしており、これらの産業領域において、巨大IT企業プラットフォーマーの取り組みに注目が集まります。

一方で、「Manufacturing」、「Energy」の産業領域では、Siemens、SAP、Bosch などドイツ企業群が陣を構えており、この領域でのデジタル化の深化と具体化による覇権を狙っています。
まさしくドイツの産学官連携プロジェクト『Industrie4.0』の取り組みを指すことになります。

日本においては2017年3月に、日本の産業が目指すべき姿(コンセプト)として、人、モノ、技術、組織等が様々につながることにより新たな価値創出を図る「Connected Industries」を政府が提唱し、その実現に向け、幾つかの産学官連携プロジェクトが進められています。

日本企業の取り組みにより、デジタル事業で日本企業の強みがどこに現れるのか、またこの図がどの様に変化するのか、日本企業がしっかりと位置を占めることが期待されます。

五十嵐氏への社内研修・登壇等のご依頼はこちらのリンクからお受けしております
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五十嵐 弘司
1980年に味の素(株)入社、バイオ精製工程のプロセス開発に従事。1998年からアメリカ味の素(株)アイオワ工場長、技術開発センター長を経て上席副社長。2009年、味の素(株)執行役員経営企画部長、その後、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員に就任。
中期経営計画の策定、M&Aの実務実行など、味の素(株)で経営の中枢を担う。また、技術統括・情報統括として、イノベーションの実現、グローバル展開、ICT活用やデジタル化を推進した。
現在、一般社団法人日本能率協会上席アドバイザー エクゼクティブフェロー、公益社団法人企業情報化協会上席顧問 エクゼクティブアドバイザー等を歴任し、日本産業界の再成長にむけ取組み中。
「競争優位を実現する成長戦略と経営基盤」ほか、企業経営に関わる多数の講演実績がある。著書「技術者よ、経営トップを目指せ!」(2019年11月、日経BP)を出版。

近日公開予定のChart(各記事公開後にリンクが貼られます)

Chart24:イノベーションの機会
Chart25:イノベーション実現の取組み方①
Chart26:イノベーション実現の取組み方②
Chart27:IoTとデジタルビジネス
Chart28:デジタルビジネスの成熟度とGAFAのポジション(本コラム)
Chart29:競争優位を実現する日本企業の取組み方
Chart30:CTO機能の再定義

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