白馬の自然の中でイノベーションについて考えた
【R&D事務局後記②】
日本能率協会が主催する『R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム』事務局が開催後に感じたことを共有します。
2019年11月1日(金)、『R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム』参加者25名は、白馬の岩岳の山頂に集いました。
この写真はその時の一枚です。
各社から集まったR&D(研究・開発)分野の若手リーダーたちがなぜ白馬の山の上に?
答えは、「白馬観光開発株式会社の和田社長に会いに来た」 です。
イノベーションを起こすリーダーシップについて考える本プログラムでは、各企業で優れた実績を持つ現役のCTOの話を、直接聞くことができることが売りの一つでもあります。
そんな中、技術を開発しているわけでもなく、研究活動をしているわけでもない観光会社の社長に会いに来たのには理由があります。
それは、「イノベーションを起こすということはどういうことか」という、根本的な問いに対して、自らのビジョンと行動力を持って、現地で革新を興している和田さんに直接会って、人柄も含めた全部を感じてしまおう、という企画であったのです。
和田社長はプレゼンの中でこう述べていました。
「自社の強みを再発見しよう。それを再定義してみよう」
「白馬のアセットを最大限利用する。自分達に足りないものは外部のリソースに頼る」
「失敗を許容し、数多く打ち、打率を高める」
金がない、人がいない、アイデアがない。
ないない尽くしに加えて、これまで地域に根を張ってきた地元の観光産業関係者達とも折り合っていかなくてはならない。そんな状況下でも、和田さんは一貫して「すでにあるものから別の価値を導き出す」ことを実践してきました。
このフィールドワークで参加メンバーは、リフトで山頂にあがり、昼食をとり、山頂を散策しました。
特に、絶景テラスと呼ばれる HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)からの眺めは想像以上のもので、シンプルなカフェと施設の建築様式も相まって、記憶に深く刻まれました。
2日目のワークショップでは、自分たちが考える白馬イノベーションのアイデアを出し合い、発表は和田社長をはじめ同社幹部の皆さんにも聞いていただきました。
山頂ライブ、銀座の白馬センター開設、白馬スマートシティ化、テーマパーク化、森の図書館等様々なアイデアが披露されました。
そのいくつかはすでに実施済みというものもありましたが、白馬観光開発の皆様には、どの提案に対しても、真摯な回答をいただきました。
ダメ出しは簡単にできたはずですが、それはせずに、過去の苦労話を共有いただいたりしたこともあり、最後まで和気藹々としたワークショップとなりました。
メンバーが貼りだしたアイデアポストイットをカメラに収めている幹部の方に、「あるものから価値を引き出す」姿勢を見た思いでした。
普段は企業の研究開発に携わる参加メンバーにとって、所属や役割をいったん忘れて、無責任に出し合ったアイデアや企画は、粗削りで滑稽なものもありましたが、間違いなく純度の高い発想の発露であったと思います。
フレームを外して考える場をこれからも増やしていきたいと思いました。
「R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム」
https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=100290