【ビジネスデータ】 10年後の社長に求められるのは、「イノベーションの気概」
月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。
「役員の4人に1人が社長をめざしている」——そんな結果が、日本能率協会(JMA)の「経営者に求められる資質に関するアンケート」から明らかになった。
アンケートは、JMAが実施する「JMAトップマネジメント研修」に参加した取締役や執行役員の方々を対象に行われた。冒頭の結果は、「ビジネスパーソンとして最終的にめざしたい姿」について聞いたもので、最も多かった「社長を支える参謀として貢献する役員」(48.2%)に次いで、「社長」をめざす役員は、25.3%となっている。
「役員就任前にもっとやっておけばよかったと後悔していること」という設問では、半数近かったのが「戦略・財務など経営に関する知識習得」で、ほかに「会社法・税法などの法律知識習得」「組織マネジメント・人材育成に関する知識習得」などが上位にあがった。
これらは、ITスキルやプレゼンテーションスキル、リーダーシップスキルなど各種の「スキル習得」よりも上回っており、役員にとって経営にかかわる幅広い知識習得の必要性があることが示された形だ。
「自身が評価されている資質」を聞いた質問では、「本質を見抜く力」「論理的思考」がトップ2であったが、「10年後の経営環境で社長に求められていること」への回答は、「イノベーションの気概」がトップ、「ビジョンを掲げる力」が2位となっている。この2つは、「評価されていると思う資質」では16位、14位と低く、これらを自身の資質として認識する役員は10%前後にとどまっている。
役員はどのような資質を磨くべきか、いかにして次世代の経営陣を育成していけばよいのかなど、さまざまなヒントが得られる調査といえるだろう。