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【ビジネスデータ】 企業が直面する“現在”の経営課題を探る

月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。

 
日本能率協会(JMA)は1979年から、企業が抱えるさまざまな経営課題を明らかにするための調査を実施している。このほど、2017年度の『日本企業の経営課題2017調査結果』が発表された。

「現在」の経営課題としては、「収益性向上」が2年連続で1位となった。過去10年の推移を見ると、「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」および「働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上」の伸びが目立つ。一方、中堅企業・中小企業では、「売り上げ・シェア拡大」「人材の強化」が上位にきており、企業規模によって課題についての意識が分かれていることがわかる。

主要事業の事業形態、ビジネスモデルの見通しについてはどうであろう。今後3年間においては、「通用する見通し」が最も高かったものの、5年後について、見通しがつかないと答えた企業は7割を超えている。

また、いま以上にデジタル化が進むと予測されるなか、経営戦略にデジタル技術を活用したビジネスモデル変革を指揮する社内人材の不足も明らかになった。さらに、どの企業でも根幹をなすはずの人材についても、質量ともに不足感が否めなかった。従業員定着のためには、従業員ニーズの把握が不可欠だが、「取り組んではいるが反映できていない」企業が多く、人事データの整備や標準化が課題として浮きあがった。

新事業開発について聞いた質問では、約半数に成果が出ているが、独立事業化への取り組みは7割以上が「実績なし」と低調だったのが気にかかる。
 
働き方改革への取り組み状況は、「残業時間削減」「休暇取得促進」がともに約8割と高い一方、「テレワーク」などの雇用形態に取り組んでいる企業は3割にとどまった。
 
不透明な経営環境、深刻化する人材不足など、不安要素も多いが、自社の最重要課題を認識して、まずは課題克服へと取り組むことが求められている。

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