船川淳志が語る グローバルリーダーの至言 その1
2003年のある日、日本能率協会のスタッフの方がお二人ほど私のオフィス訪れました。5月からスタートして10月に終わる、いわゆるアクションラーニングの形で「グローバルビジネスリーダーを本気で育てたい!その主任講師をやってもらえますか?」と言う依頼でした。
二つ返事で即答し、それが知る人ぞ知る伝説のGBL、グローバルビジネスリーダープログラムでした。これは合計30日間、日本で約10日、後の20日間は欧州、米国、中国の上海で過ごし10月最終発表会を行うと言う本格的なリーダー育成の研修で、日本を代表する企業から毎年たったお一人ずつ参加いただいたものです。2004年から2007年までの合計4回、41名の卒業生を輩出しています。
その第1期生10名のお一人が川名浩一さんでした。初対面の時から、相撲部で鍛え抜いたガタイはもちろん、内面からにじみ出る限りない優しさ、ぶれない軸、そしてオーラを感じ取ることができました。その後、川名さんには私が担当していたBBTの番組のゲストにもご出演いただいたり、いろいろな場面でお会いする機会をいただいています。
たまたま、同じ大学で卒業年次が2年しか違わないのですが、川名さんは日本を代表するグローバルリーダーとしてご活躍されています。
川名 浩一氏
元 日揮株式会社
(現 日揮ホールディングス株式会社)
代表取締役社長
ローマクラブの「成長の限界」を学生時代に読まれ、地球の資源、食料、そして水は決して無尽蔵ではなく、どのようにしたら貧困がなくなるか、どうしたら世の中に貢献できるのか考え抜いたことが、プラントエンジニアリングメーカーを選び、今のキャリアにつながっていると言う、まさにぶれない軸の保有者です。
実はこの「ぶれない軸」を研ぎ澄ましていく、というのが、GBLのメインのテーマでした。つまり川名さんはそのロールモデルとなって、いろいろなご活躍をされていらっしゃるのです。
プラントエンジニアリングの仕事は、中東もアジアも文字通り世界のどこへにでも出かけて、人種、言語、国籍はもちろん、宗教も教育レベルも全く違う多くの現場の方々をまとめあげていかなければなりません。そしてそのおかげで、私たちの生活インフラの支えになっていると言う事は言うまでもないことです。
そんなお仕事に学生時代の想いと、誇りを持ちながら、川名さんが語ってくれたことがあります。字数の都合上2つだけ紹介します。
日本人はもっと「饒舌な侍」になればいい,と言う励ましです。インドネシアから中東、そしてイギリスに駐在され、加えてハーバードのGMPを終了された川名さんならではのメッセージです。
そしてもう一つが、「いまだ木鶏に至らず」、と言う不世出の横綱、双葉山の言葉です。どんなに上り詰めても、「さらなる地平線」を見つめている川名さんに出会うことができたのは私の人生の貴重な経験の1つなのです。
2004年7月 フランス上院議事堂・リュクサンブール宮殿にて
左から二人目:川名氏/三人目:船川氏
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