【#16:企業のかたち】~技術者こそ経営者を目指せ!~ イノベーションリーダーが知っておきたい30のチャート
日本能率協会の上席アドバイザーエグゼクティブフェローの五十嵐氏による本連載コラム。
今回のコラムでは、経営戦略を立てる前提条件である、企業の生業の形づくりについてご紹介します。
経営戦略をつくることは、企業の生業を決定づけることそのものです。
考慮すべきことは多岐にわたりますが、確実に“この項目には留意するように”というポイントは存在します。
本コラムでは、企業の生業を“木”にたとえて紹介します。
Chart16:企業のかたち
企業の生業全体を支える“根”=経営資源・コアコンピタンス
事業は、企業の持つ経営資源とコアコンピタンスの上に成り立っています。これを踏まえた上で企業経営を行わないと、成長どころかその存立まで危うくなります
メーカーのコアコンピタンスには多くの技術要素が含まれています。これは大切です。技術要素の保持と進化は、事業の成長と発展につながります
経営基盤という根から太く育つ“幹”=基幹事業
新事業の創出は、根から新たな芽が出て、新たな幹になることです。
これは、経営基盤(資源やコアコンピタンス)を研ぎ澄ますことによります。
様々な方向に成長し、実を結ぶために必要な“枝葉”=多角化した事業・製品
M&Aや資本提携は、接ぎ木することや移植することにあたります。異質を受け入れる、多様性を成長につなげる経営力が必要です。
経営者は、経営戦略を立てるにあたり、自社の根(経営基盤)をしっかりと認識する必要があります。根を切るあるいは腐らせることは、事業そして企業の幹が枯れることにつながることを意識して臨むことが大切です。
つまり、企業の〝生業〟〝かたち〟を見極めないで戦略をつくると「厳しい環境変化に耐えられない企業」になる可能性があります。経営者は、企業経営するにあたり自らの企業のかたちを考え抜くことから始まります。
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五十嵐 弘司
1980年に味の素(株)入社、バイオ精製工程のプロセス開発に従事。1998年からアメリカ味の素(株)アイオワ工場長、技術開発センター長を経て上席副社長。2009年、味の素(株)執行役員経営企画部長、その後、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員に就任。
中期経営計画の策定、M&Aの実務実行など、味の素(株)で経営の中枢を担う。また、技術統括・情報統括として、イノベーションの実現、グローバル展開、ICT活用やデジタル化を推進した。
現在、一般社団法人日本能率協会上席アドバイザー エクゼクティブフェロー、公益社団法人企業情報化協会上席顧問 エクゼクティブアドバイザー等を歴任し、日本産業界の再成長にむけ取組み中。
「競争優位を実現する成長戦略と経営基盤」ほか、企業経営に関わる多数の講演実績がある。著書「技術者よ、経営トップを目指せ!」(2019年11月、日経BP)を出版。
近日公開予定のChart(各記事公開後にリンクが貼られます)
Chart15:企業価値を算出する方法(DCF法)
Chart16:企業のかたち
Chart17:経営のスタンス
Chart18:「これまで」の経営戦略、「これから」の経営戦略①
Chart19:「これまで」の経営戦略、「これから」の経営戦略②
Chart20:2類型ある企業成長の取り組み
Chart21:M&Aのプロセス
Chart22:M&Aの領域設定
Chart23:M&Aを成功に導く要因