【#27:IoTとデジタルビジネス】~技術者こそ経営者を目指せ!~ イノベーションリーダーが知っておきたい30のチャート
日本能率協会の上席アドバイザーエグゼクティブフェローの五十嵐氏による本連載コラム。
今回は、各社のビジネスモデルを大きく動かすドライビングフォースとなるIoT化についてお話しします。
顧客とビジネスそのものが直結する
IoT(Internet of things)は、あらゆるものがデジタルデータを介してつながることを意味します。
膨大な量の「現在値データ」を集め、格納、共有化し、今まで収集したデータをも含めて解析し、あるときには必要な解答や方向(指示)を得るアウトプットを得ることができるようになります。
IoTが進化するとビジネスには大きな変化が起きます。
それは、ビジネスのバリューチェーンがデータにより一つにつながり、事業を構成する各部門が独立して存在しなくても、事業ができる状況や状態をつくりだせることになるということです。
すなわち、デジタルビジネスとは、「顧客とビジネスそのものが直結した状態」と言えます。
Chart27:IoTとデジタルビジネス
IoT化はデジタルビジネスを動かす大きなモーメント
従ってIoT化が進むことで、顧客との情報のやり取り(そしてそれによる「もの」や「こと」のやり取り)が、外部に露出する唯一のポイント(IN-OUTの関係)となります。
そして、これがデジタルビジネスを動かす大きなモーメントになると考えても良いのではないでしょうか。
顧客の志向、印象、要望(Ux:User Experience)が、デジタルビジネスのすべてを支配すると言っても過言ではありません。
Uxを最大化することためにデジタルビジネスがもつ特徴が最大限に活きてくるともいえます。
最後に、IoT化のポイントをまとめて今回のコラムを結びます。
IoT : ありとあらゆるモノがつながる
◎ 全ての現在データを集める(センシング,通信)
◎ 膨大なデータを格納する (クラウド,ビッグデータ)
◎ データを(解析し)知的化する(アプリケーション,アルゴリズム,AI )
◎ 知的化を具体化する(FA,ロボット,3Dプリンター)
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五十嵐 弘司
1980年に味の素(株)入社、バイオ精製工程のプロセス開発に従事。1998年からアメリカ味の素(株)アイオワ工場長、技術開発センター長を経て上席副社長。2009年、味の素(株)執行役員経営企画部長、その後、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員に就任。
中期経営計画の策定、M&Aの実務実行など、味の素(株)で経営の中枢を担う。また、技術統括・情報統括として、イノベーションの実現、グローバル展開、ICT活用やデジタル化を推進した。
現在、一般社団法人日本能率協会上席アドバイザー エクゼクティブフェロー、公益社団法人企業情報化協会上席顧問 エクゼクティブアドバイザー等を歴任し、日本産業界の再成長にむけ取組み中。
「競争優位を実現する成長戦略と経営基盤」ほか、企業経営に関わる多数の講演実績がある。著書「技術者よ、経営トップを目指せ!」(2019年11月、日経BP)を出版。
近日公開予定のChart(各記事公開後にリンクが貼られます)
Chart24:イノベーションの機会
Chart25:イノベーション実現の取組み方①
Chart26:イノベーション実現の取組み方②
Chart27:IoTとデジタルビジネス(本コラム)
Chart28:デジタルビジネスの成熟度とGAFAのポジション
Chart29:競争優位を実現する日本企業の取組み方
Chart30:CTO機能の再定義