デジタルトランスフォーメーションとは何なのか?|
かく語りき コマツ 特別顧問 野路國夫編 2/3
本コラムは2020ものづくり総合大会にてものづくり貢献賞を受賞した檀上にて講話頂いた内容をJMA GARAGE TEAMの視点でまとめたものです。
デジタルトランスフォーメーションとは何なのか?
コマツでは「モノ」と「コト」の2軸でデジタル戦略を描いています。
「モノ」軸は商品自体の高度化を指しており、コマツでは建機が運転支援から自律して判断できるようにレベルアップしていくことです。
「コト」軸は土木建設における生産性を上げるために、何をすればいいのかを5段階にしておいています。
従来はモノにAIやIoT機器をつけて自動化してもの、ただしこれだけで本当に土木建設の生産性はあがるのか?と自問することにより、現場の生産性向上を考える事ができるそうです。
また土木現場の生産性向上のためにはモノの高度化だけではなく、コトも高度化していく必要あります。そしてその2つを同時に高度していく必要があるとの事です。
これは製造業にとってはチャンスが到来していると言えます。ハードとデジタルを融合させるからこそ提供できる価値があるのです。またものづくりに関する各業界のトッププレイヤーに日系企業がいる事も大きな後押しになっています。
ただし、製造業自身が顧客に対して価値向上できるところがどこにあるのかを真剣に考えていく事が求められています。
一方でコトがレベルアップし、顧客への提供価値が向上していくと、自社のビジネスモデルが破壊される可能性を受け止める事も重要になってきます。例えばコマツでは、顧客の生産性を2倍、3倍と上げていくと、必要な建機が半減する可能性も出てきます。つまり、自社の売り上げが落ちるかもしれないという事です。
自社の売り上げを減らすことをやれるのか?自分でビジネスモデルを破壊できるのか?
コマツでは、「自社がやらなければ、他社がやる。だから自分達自身で変革していく必要がある。」と考えてデジタルトランスフォーメーションを進めているそうです。
また「製造業でアッセンブリーをやっているメーカーはそうしないと勝てない。」との強いメッセージを発信していました。