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【ビジネスデータ】 深刻化する日本の人手不足、経営への影響に懸念が

月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。

宅配企業の配送時間の変更や、ファミリーレストランの営業時間短縮などにみられるように、人出不足によりサービスの見直しを迫られる企業が出てきている。特に、人的資源が限られている中小企業にとっては、人手不足は経営に大きく影響する課題の1つだ。

日本商工会議所では、2017年3月から4月にかけて全国47都道府県の中小企業4,072社を対象に、「人手不足への対応に関する調査」を実施。2,776社から回答を得た(回答率68.2%)。

それによると、6割以上の企業が「人員が不足している」と回答。調査開始後3年間、年々人手不足感は強まっている。業種別では、昨年度調査と同じく「宿泊・飲食業」の不足感が最も高く、「運輸業」「介護・看護業」とつづく。ただ、多くの業種で昨年度調査以上に「不足感」が高まっているが、「介護・看護業」については、昨年度調査を下回った。また従業員規模別に見ると、従業員数が多いほど「不足している」率が高くなり、101人以上の企業では7割を超えた。

「不足している」と回答した企業に「求める人材」を聞いたところ、「即戦力となる中堅層、専門家」と「一定の経験を有した若手社員(第二新卒等)」が、「新規学卒者」よりも突出しており、一から教育しなくてはならない新卒社員よりも、「経験者」「即戦力」を求める傾向が強いことが明らかとなった。また「その他」「無回答」を除き、一番低かったのは「管理職経験者」であった。

人手不足が企業経営に与える影響については、4社に1社が「既に影響が出ている」状況で、「影響が懸念される」と回答した企業も含めると約7割となり、何らかの対策が必要と思われる。

このほか、人手不足解消策としての外国人労働者の受け入れや長時間労働是正などについても触れており、中小企業が直面する課題と現状を理解することができる調査といえるだろう。

人口減少は確実に進む。そのなかで必要な労働力をどう確保していくか——中小企業のみならず、それが日本企業の生き残りを左右するといえそうだ。

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