【ビジネスデータ】 「イノベーションの担い手」として期待が高まる大学発ベンチャー
月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。
経済産業省が「大学発ベンチャー 1000社計画」を発表したのは2001年。2004年には国立大学が独立行政法人に移行するなどの流れを受け、大学発ベンチャー※の設立は増加した。
経済産業省では、2016年度の大学発ベンチャー調査結果を発表している。この調査によると、2016年度調査で確認された大学発ベンチャーの数は1,851社。前年度調査の1,773社より78社増えた。2016年度に新設されたベンチャーが58社あるものの、前年度調査後に閉鎖したベンチャーは169社と報告している。とはいえ、大学発ベンチャーの事業ステージは、前年度も今年度の調査でも、50%以上が黒字化を達成しており、産業の活性化に一役買っていることは確かだろう。
では、どのようなベンチャー企業が多いのか。同調査では大学発ベンチャーを5つに分類※している。最も多いのが1,114社の「研究成果ベンチャー」で、ここ3年間の調査では全体の6割以上を占めている。さらに、分類されたベンチャーと業種の関連についても調査、どのような分野に進出しているかも把握できる。
大学別に見るとトップは東京大学で、2016年度は216社と突出。そして京都大学、筑波大学、大阪大学、九州大学が70社以上とつづく。
大学発ベンチャーは、民間企業が担いきれない研究開発分野などで成果を出しはじめている。ミドリムシを原料とした機能性食品などを製造・販売する東京大学発のユーグレナなど、上場する企業も登場している。
今後、「イノベーションの担い手」として、さらなる活性化が期待される。