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【魚眼 虫眼 鳥瞰】 内閣官房に見る日本の課題

月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。

このコラムの原稿を書いているいま、国会はざわついているのだが、内閣官房のことについて書くことにする。

内閣官房と聞いて、それがどのような行政機関なのかはご存じの方も多いだろう。内閣の補助機関であり、内閣総理大臣を直接補佐、支援する機関である。総理の右腕として働くのが内閣官房長官であり、その事務を統括している。

しかし、内閣官房の組織図をご覧になったことはあるだろうか。なければ一度ご覧になることを勧めたい。その理由は、わが国が直面する課題が見えるからだ。

組織図を見ると、事務方として、国家安全保障局が上位にあり、内閣官房副長官補のもとに、情報通信技術(IT)総合戦略室にはじまり、35の「本部」や「室」「局」「チーム」が置かれている。私たちビジネスパーソンにとって身近な組織としては、「一億総活躍推進室」「働き方改革実現推進室」などがあり、ここが関係省庁と連絡をとり、まとめ、動いている。

また、内閣官房には、内閣人事局も置かれている。この内閣人事局の設置は2014年なのだが、2008年に国家公務員制度改革基本法によって法整備がされたものの、施行までに6年間の紆余曲折があった。内閣人事局は、「国家公務員の人事管理に関する戦略的中枢機能を担う組織」と位置づけられ、(1)幹部職員人事の一元管理 (2)全政府的観点に立った国家公務員の人事行政を推進するための事務 (3)行政機関の機構・定員管理や級別定数等に関する事務などを担当するとある。いまの国会のざわつきにも関連しており、内閣人事局の功罪や影響も世間ではいわれているが、問題はその存在そのものではないはずだ。

こうした組織を正しく運営するには、設置の目的に沿って、「良心」をもって行うしかない。さらに、運営を確かなものとするためには、内閣からも誰からも影響を受けない第三者が、その正しさ、確かさを確認し、その内容を公表する義務を負うことだ。

ガバナンスに関する議論が盛んになってほしい。

(編集室 ブンヒン
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