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【魚眼 虫眼 鳥瞰】 少額のCSRで将来を担うための学校教育を支援

月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。

近年、若者と接する先生や企業の現場の方から、「自己肯定感が低い人が増えている」「自己効用感が低い人が多くなっている」という言葉を耳にすることが多くなった。自己肯定感と自己効用感の違いはあるが、そのことは脇に置いて話を進めたい。

先日、滋賀県草津市立草津第二小学校で、「赤ちゃんプロジェクト※」という授業を見学する機会を得た。生後3カ月から12カ月の赤ちゃんとお母さんに、5カ月にわたって、同授業がある日には学校に来てもらい、児童が赤ちゃんに触れたり、抱いたり、赤ちゃんの生活を聞いたりすることで、命や成長について学習するのが目的である。同小学校では、すでに2年生を対象に数年間つづけて取り組んでいる。その効用について、北島泰雄校長は、「自分が赤ちゃんのときに、どれだけ大切にされたかを知ることで、自己肯定感が高まり、友だちを大切にする心が育まれていることを実感します」と語ってくれた。

しかし、この授業が、学校の公費だけで実施することができないという現実的な課題がある。草津第二小学校の場合は、近くに本社を構える「天神」という学習ソフトを開発販売する株式会社タオが、その費用をサポートしつづけているため継続できている。1回の授業にかかる費用は数万円なのだが、校費でその金額を賄えない現実がある。CSRに積極的な企業ならば、数万円という金額は、決裁者の判断次第で出せる範囲であろう。

学校と企業とがつながる場としては、出前授業などがあるものの、こうした支援のCSR活動が、もっと着目されてもいいだろう。そうすれば、学校もよりユニークな教育現場を創造し、継続することができるのではないだろうか。

企業による学校への経済的な支援は、たとえ少額であったとしても、大きな夢のある人材を育てる投資といえる。そんなCSRが、もっと広がってほしいものである。

※NPO法人ママの働き方応援隊が行う「赤ちゃん先生プロジェクト」により実施されている。

(編集室 ブンヒン
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