【#17:経営のスタンス】~技術者こそ経営者を目指せ!~ イノベーションリーダーが知っておきたい30のチャート
日本能率協会の上席アドバイザーエグゼクティブフェローの五十嵐氏による本連載コラム。
今回のコラムでは、激変する経営環境の変化に対応していく経営スタイルについてご紹介します。
急速な技術革新に伴い、私たちの生活が大きく変わろうとしています。
この変化に対し、企業経営者が、自らの企業や事業を
「いままでの姿を維持し進化させれば良い」
と考えているとすれば、その企業は衰退・消滅の危機にあると言っても過言ではありません。
技術革新により環境が大きく変化しているのですから、企業経営の視点あるいは経営スタンスを大きく変える必要があります。
これから求められる経営スタンス
そこで、これからの企業に必要な経営の視点、経営スタンスを表にまとめました。
Chart17:経営のスタンス
数値管理から価値創造へ
経営スタンスの切り口には、視野、時間軸、環境変化、ビジョン、取り組み形態、狙い(ターゲット)、戦略検討の姿勢(進め方)やその手段等々を挙げています。
特に、事業環境の見方は、従来が「連続的」な変化と捉えて差支えなかったものが、今後は変化が「非連続・不連続」で起こると捉える必要があります。
取り組み方や進め方に関しては、今までのように実績や経験に基づくものから、チャレンジし結果を得て、次の指針を決めていくフレキシビリティも必要になります。
従来型の経営では、数値目標をたて、その目標を目指すものでしたが、今後は、企業を取り巻く環境や事業のかたちが急激に変化するため、不確実な数値目標より、新たな価値を創造するためのビジョンが優先し求められます。
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五十嵐 弘司
1980年に味の素(株)入社、バイオ精製工程のプロセス開発に従事。1998年からアメリカ味の素(株)アイオワ工場長、技術開発センター長を経て上席副社長。2009年、味の素(株)執行役員経営企画部長、その後、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員に就任。
中期経営計画の策定、M&Aの実務実行など、味の素(株)で経営の中枢を担う。また、技術統括・情報統括として、イノベーションの実現、グローバル展開、ICT活用やデジタル化を推進した。
現在、一般社団法人日本能率協会上席アドバイザー エクゼクティブフェロー、公益社団法人企業情報化協会上席顧問 エクゼクティブアドバイザー等を歴任し、日本産業界の再成長にむけ取組み中。
「競争優位を実現する成長戦略と経営基盤」ほか、企業経営に関わる多数の講演実績がある。著書「技術者よ、経営トップを目指せ!」(2019年11月、日経BP)を出版。
近日公開予定のChart(各記事公開後にリンクが貼られます)
Chart15:企業価値を算出する方法(DCF法)
Chart16:企業のかたち
Chart17:経営のスタンス
Chart18:「これまで」の経営戦略、「これから」の経営戦略①
Chart19:「これまで」の経営戦略、「これから」の経営戦略②
Chart20:2類型ある企業成長の取り組み
Chart21:M&Aのプロセス
Chart22:M&Aの領域設定
Chart23:M&Aを成功に導く要因