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【魚眼 虫眼 鳥瞰】 中国の夢

月刊情報誌『JMAマネジメント』の連載記事の一部をご案内いたします。

この5月に、国賓として李克強中国国務院総理が来日した。安倍総理との会談の合意内容は、日本の各産業界にとっても朗報であった。日本と中国の関係は改善に向かっており、それは習近平国家主席の日本に対する態度からもうかがえる。

さて、今年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)では、憲法が改正され、「国家主席・副主席の任期は2期を超えない」という規定が削除された。これにより、習主席の長期政権化の可能性が出てきた。習主席は、「中国の夢」を追い、それを実現しようとしている。中国の夢とは、「富強の、民主的、文明的で、調和のとれた美しい社会主義の現代化された強国」になること。かつて、明、清の時代には、中国は、経済力、軍事力、文化面において世界の頂点にいた。ふたたび、中国が世界のリーダーになることをめざしている。

習政権は、これまでに政治腐敗の取り締まりを行い、政治の健全化を図ってきた。これからの10年は経済の健全化をめざしており、さらにその先には、公平公正な社会をつくるという。中国社会が抱える三大問題を解決する目標をもっている。こうした問題を解決し、迎える2035年には世界経済第一の大国に、2049年の中華人民共和国設立100周年を迎えるときには、中国の夢、つまり中華民族復興の夢を実現するという目標をもっている。

壮大な夢をもつ習主席の背景には、どのようなことがあるのだろう。習氏の父は、中華人民共和国建国の革命家である習仲勲氏。そんな出自も影響しているのかもしれない。

簡単ではあるがこうして整理してみると、習氏は、大きな志に支えられて、長い時間軸をもって目標を立て問題を解決し、志を実現しようとしている。

今日、世界はさまざまな面で分岐点にあり、安定さを欠いている。多極化する世界で、日本独自の長い目線と大きな志をもって、世界と地球の秩序を支える原則を考え、その実現をめざすことで、存在感を高めたい。

(編集室 ブンヒン
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